[原子力産業新聞] 2004年3月25日 第2225号 <4面>

[三菱重工] EPR用原子炉容器、受注を発表を発表

三菱重工業は、18日、仏フラマトムANP社から、フィンランド5番目の原子力発電所で初の欧州加圧水型炉(EPR、=想像図)となるオルキルオト原子力発電所3号機(160万kW)向け原子炉容器を受注したと発表した。同社がフラマトムANP社から原子力の主要機器を受注するのは今回が初めてだが、原子炉容器輸出については、秦山I期原子力発電所(PWR、30万kW)および秦山U期原子力発電所1号機(PWR、64万kW)向けの実績を持つ。また、取替用上部原子炉容器(上蓋)では、スウェーデン、米国で多数の受注実績がある。

EPRは、アレバ社とジーメンス社が新たに開発した出力160万kWの世界最大級のPWR。三菱重工が製作するEPR原子炉容器は、材質が低合金鋼製で、高さ約13メートル、直径約6メートル、総重量は約550トンと世界最大級のもの。受注金額は数十億円。正式契約は1、2か月後になるが、引き渡しは2006年11月の予定。機器はフィンランド港渡しで、据付工事は含まない。製作は三菱重工の神戸造船所が担当する。

原子炉容器は外国為替および外国貿易法での規制品目で、日本とフィンランドとの間に原子力協力協定はないが、同国が日本版キャッチオール規制で規制対象外のいわゆる「ホワイト国」であることから、輸出手続きは、外交文書等の手続きのみで進められる見込みだ。

三菱重工は、欧州、米国、中国、アジア市場に積極的に拡販、原子力事業の国際展開に取り組んで行きたいとしている。


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