[原子力産業新聞] 2004年4月1日 第2229号 <1面>

[日本原子力発電] 経済大臣に設置許可申請

日本原子力発電は3月30日、敦賀発電所3、4号機(153.8万kW)の原子炉設置変更許可申請を経済産業大臣に行った。1995年に環境事前調査に着手した初の改良型加圧水型炉(APWR)は、2007年の着工、3号機2014年3月、4号機翌年3月の営業運転開始に向けて、大きく歩を踏み出した。

福井県の西川一誠知事は3月29日、原電の鷲見禎彦社長と県庁で会い、敦賀3、4号機増設への手続き入りを承認する考えを伝えた。西川知事との会談後、鷲見社長は河瀬一治・敦賀市長を訪問、河瀬市長は3、4号機計画の前進に歓迎の意を表した。

敦賀3、4号機は官民による第3次改良標準化計画の成果とその後の技術進歩を取り入れた、国際的にも最大級の最新鋭PWR。非常用炉心冷却系の改良による安全性の向上、原子炉内部構造物の改良や蒸気発生器の改良による信頼性の向上、中性子反射体の採用等による炉心性能の向上、中央制御盤の改良による運転性の向上などが特徴。

設計については、3次元CAD設計技術による機器・配管配置設計の合理化や建屋設計のコンパクト化等の合理化を行い、小型・高性能な蒸気発生器等、最新技術の導入、タービンバイパス系の合理化や高性能プレート式熱交換器の採用など機器設計の簡素化、合理化などが図られている。

建設工法も、格納容器ライナの大ブロック化や、配管と建屋部材等を組み合わせた複合化モジュール工法など、大型クレーンの採用による現場工事の効率化と現地作業量の低減など効率化が図られ、さらに護岸工事工法の変更によるコスト削減も行われた。

3、4号機の建設費は、8300億円から7700億円に削減された。設計、建設工法の最適化、発注方法等の工夫でコストダウンを図ったが、特に護岸工事の工法変更が、約300億円の削減につながった。

3、4号機は、運転中の敦賀1、2号機の西側、敦賀半島の北端に建設される(=地図参照)。原電は許可がおり次第、今年夏にも準備工事に着工、発電所の本体工事は2009年から開始したい意向だ。


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