[原子力産業新聞] 2004年4月1日 第2229号 <3面> |
[フィンランド] POSIVA社、地下研究所建設で契約フィンランドで使用済み燃料処分場の立地調査を進めているPOSIVA社は、3月29日、オルキルオト原子力発電所近郊のユーラヨキに地下特性調査施設(ONKALO)を建設する契約に調印した。この契約では、第1期工事として、4年間かけて地下417メートルまで総延長4・5kmのアクセス・トンネルを掘削する(=図)。 POSIVA社は今回、フィンランド国内で多くのトンネル工事の実績を持つカリオラケヌス社と第1期工事について契約した。工事はこの夏から2008年までかけて行われる予定。 1期工事では、地上から地下417mへ、らせん型につながる総延長4.5kmのアクセス・トンネルが掘削されるほか、垂直に地下287mまで通気孔を掘る。総掘削量は18万立方メートル。 第2期工事では、2010年頃までかけて、深さ520mまで通気孔を延長、アクセストンネルもこのレベルまで、5.5kmに伸ばす。ONKALOの総工費は約5000万ユーロ(約65億円)の予定。 POSIVA社はこの施設で、岩盤層の適性など、処分場建設の許認可申請に必要な地下の詳細情報を調査する。調査後、POSIVA社は2010年代の初め頃にも、政府に使用済み燃料処分場建設の申請を行いたい意向だ。 <POSIVA社は1999年5月、オルキルオト原子力発電所から約2km離れたユーラヨキを最終処分場予定地に選び、政府に申請を行った。フィンランド政府は2000年12月にこれを承認、議会も2001年5月に圧倒的多数でこれを承認した。これを受け、2003年5月には、POSIVA社はユーラヨキ自治体にONKALOの建設申請を行った。ユーラヨキ住民の約60%は処分場誘致に賛成しているといわれている。/p> |