[原子力産業新聞] 2004年4月1日 第2229号 <3面>

[米・DOE] 「原子力で水素製造を」

米エネルギー省(DOE)は米研究評議会に、水素経済に関する技術的、政策的問題の調査を依頼、特に、技術の現状、将来のコスト評価、2酸化炭素排出量、水素の供給、貯蔵、利用に関する問題点、DOEの水素研究開発を検討するよう求めた。

これに応じて学術研究会議は検討を進め、今年2月、水素は、国内資源から経済的・環境的に受入れ可能な方法で生産でき、かなりの市場占有率が得られるという結論をまとめた。水素は、世界のエネルギー安全保障と環境に貢献するが、このためには、多くの技術的、社会的、政策的課題を克服する必要があるとし、以下の勧告を行っている。

今後50年間、水素を主要燃料として利用していくためには、米国のエネルギーシステムを根本的に変える必要がある。水素はガソリンに代わり、車から排出される2酸化炭素をほぼゼロにする可能性がある。

技術的な課題としては、@経済的で安全、耐久性があり環境に優しい燃料電池と水素貯蔵システムの開発・導入A自動車用水素供給インフラの開発B再生可能資源からの水素製造コストの大幅削減C石炭から水素を製造した際に出る2酸化炭素の隔離・貯蔵――という4点がある。

電気分解による水素製造は、経済的であれば、2酸化炭素削減に大きく貢献する。DOEは電解層の開発と、原子力や補助金を受けていない再生可能エネルギー源からの電力による水素製造コストの大幅削減に力を入れるべきである。


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