[原子力産業新聞] 2004年4月8日 第2230号 <3面>

[米・DOE] 米電力など2グル−プを結成

エクセロン社など米国の大手電力会社4社と原子炉メ−カ−2社など7社は3月31日、コンソ−シアムを結成し、米エネルギ−省(DOE)と協力して、原子力発電所の建設.運転一括許認可(COL)申請を原子力規制委員会(NRC)へ行う作業を進めるとに発表した。また、ドミニオン社とカナダ原子力公社(AECL)もCOL取得に向け、DOEに支援を要請する意向だ。1974年以降、原子力発電所の新規発注が止まっている米国は、新たな建設に向けて動き始めた。

このコンソ−シアムは、コンステレ−ション.ジェネレ−ショングル−プ、エンタジ−・ニュ−クリア、エクセロン・ジェネレ−ション、サザンカンパニ−の大手原子力発電会社4社、ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)とGEエナジ−の原子炉メ−カ−2社、および仏電力公社の子会社EDFインタ−ナショナル・ノ−スアメリカの7社で構成され、今回、コンソ−シアム結成のための了解覚書に署名したもの。

DOEは昨年11月21日、2010年までに米国で原子力発電所を建設.運転する「原子力2010計画」の一環として、DOEと民間会社が、新規原子力発電所の許認可取得作業を共同して行えるよう、民間からの提案を求めており、今回の動きはこれに応えたもの。コンソ−シアムの7社は、許認可取得作業のため、年間約700万ドル(7億4000万円)の拠出および現物支給による負担を行い、DOEも1500万ドル程度を拠出する。

このコンソ−シアムは、WH社のAP−1000およびGE社のESBWRでCOL取得を目指す。AP−1000は、より小型のAP−600をスケ−ルアップしたもので、重力注入式緊急冷却系や自然対流による崩壊熱除去などの受動的安全性により、バルブやポンプ等の機器の個数とコストを削減した100万kW.PWR。WH社は2002年3月、NRCに設計認証を申請、来年末までには設計認証が得られる見込み。

GE社のESBWRは、日本で実績のあるABWRを基礎に設計された改良型簡素化BWRで、来年半ばにNRCへ設計認証の申請をする意向だ。GE社はフィンランドのオルキルオト3号機入札で、ESBWRを提案した実績がある。

同コンソ−シアムのエクセロン社とエンタジ−社は昨年秋、それぞれ、クリントン原子力発電所、グランドガルフ原子力発電所のサイトについて、NRCに早期サイト許可(ESP)申請を行っているが、各社とも、今回の動きが原子力発電所の建設に直接つながるものではないとしている。

一方、ドミニオン社とAECLは、改良型CANDU炉のACR700でCOL取得を目指す。ドミニオン社は昨年9月、ノ−スアナ・サイトでNRCにESP申請を行っている。


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