[原子力産業新聞] 2004年4月15日 第2231号 <3面>

[米国] 新規原子力発電所への動き 米メディアは好意的な反応

 本紙先週号三面にて既報のとおり、米大手電力や原子炉メーカーからなる二つのグループが、米国における原子力発電所の新規建設に向け、米原子力規制委員会(NRC)から建設・運転一括許認可(COL)の取得を目指し、エネルギー省(DOE)と協力して作業を始めることを明らかにした。この動きは、米国の主要紙から好意的な反応を受けている。原子力エネルギー協会(NEI)がまとめたマスメディアの反応を紹介する。


「見込み高まる」 NYタイムズ

ニューヨークタイムズ紙

 産業界によると、天然ガス価格が今後も高く、石炭火力発電所が厳しい環境規制に直面しているなど、原子力と競合する燃料が問題に直面しているため、新規原子力発電所の見込みが高まっている。エンタジー・ニュークリア社CEOのG・テイラー氏は、「原子力オプションを将来に開いておくために、我々は次のステップに着手しなければならない」と述べている。

ボルチモア・サン紙

 「企業として、我々は原子力に極めて強気だ。コンステレーション社は、このコンソーシアムに加わることで、将来の原子力発電所の許認可プロセスが円滑に進むことが実証されるよう希望している」と、コンステレーション・ジェネレーション・グループのM・J・ワレス社長は述べた。

ワシントンポスト紙

 「我々はみな、原子力オプションを残したいという共通の目標がある」と、エクセロン・ニュークリア社のプロジェクト開発担当副責任者のM・クレイ氏は述べている。同社は、コンソーシアムに参加している企業の一つで、このコンソーシアムを率いるエクセロン社の子会社だ。

ロサンゼルス・タイムズ紙

 「エネルギー専門家と電力会社幹部が語るところによると、改良型の原子力発電所は原子力の有望な可能性を示している。石炭や天然ガスなど他の発電燃料と比較すると、改良型原子力発電所の安全性は高く、燃料価格は安定しており、発電コストは低く、環境影響も少ない」

シカゴ・トリビューン紙

 「我々は準備を完了しなければならないが、経済が十分強くなり、新規原子力発電所に対する公衆の支持がかなり明確になるまでは、発電所建設の確約はできない」と、エクセロン社の会長兼CEOのJ・ローエ氏は語っている。

リッチモンド・タイムズ・ディスパッチ紙

 ドミニオン・ジェネレーション社が、明らかにしたところによると、同社は、ドミニオン・バージニア・パワー社のノースアナ原子力発電所に三基目の原子炉を建設する新たなステップに着手した。

アトランタ・ジャーナル・コンスティチューション紙

 アトランタにあるサザン社とGEエナジー・システムズ社が、過去三十年間で初めてとなる新規原子炉の許認可申請を目指す七社連合に加盟することに合意した。七社は今後七年間にわたり、このプロジェクトに毎年百万ドルを拠出する協定に署名した。

ウォールストリート・ジャーナル紙

 原子力産業界の七社が、米国の過去二十年間初めての原子力発電所を建設する可能性調査に乗り出した。


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