[原子力産業新聞] 2004年4月22日 第2232号 <3面>

[フランス] 新内閣はEPRに前向き

 3月30日のフランス統一地方選挙での与党敗北を受け、翌31日に発足した第3次ラファラン内閣の原子力政策が注目されているが、J―P・ラファラン首相をはじめ、実力者のN・サルコジ経済・財務・産業相が、議会で欧州加圧水型炉(EPR)実証炉建設に積極的な発言を行っている。

 ラファラン首相は8日、議会上院で仏電力庁(EDF)とガス公社(GDF)の民営化問題に関する質問に答え、「私はEPR開発を考えており、このためにこれらの会社を公的管理の元に置くことが必要だ」と述べ、EDFの全面民営化を否定。「これは、仏の独立と産業戦略にとって基本的な事項だ」として、EPR開発への支持を明確にした。

 また、同首相は5日の議会演説でも、「将来の原子力発電に備えることが我々の責任だ」とし、EPR発注を決めたフィンランドに続いて「フランスもこれに続くべきだ」と発言、議会にEPR建設について討議するよう求めた。

 一方、内閣での序列2位で国民に強い人気を持つサルコジ財政相も、15日、議会でのエネルギー討議の開始にあたって、2015〜20年頃までに新世代の発電所を運開させる必要があると強調、「EPRは安全性が10倍高く、コストは10%低く、発生する廃棄物は15〜30%低い」と述べ、「EPR建設によるエネルギー問題解決を目指すべきだ」と、同炉の建設に積極的な支持を表明した。


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