[原子力産業新聞] 2004年4月30日 第2233号 <1面>

[日本原燃] 再処理施設ウラン試験目指し 知事・閣僚らの動き急

 日本原燃の六ヵ所再処理施設のウラン試験を巡り、地元自治体などの動きが活発になっている。青森県の三村申吾知事は26日、核燃料サイクル協議会のメンバー4閣僚と相次いで会談、核燃料サイクル政策継続を再確認した。一方、日本原燃は20〜23日まで県内4か所で説明会を開催、近く青森県など地元自治体も説明会の開催を検討している。

 三村知事は26日、福田康夫官房長官、中川昭一経済産業相(=写真)、河村建夫文部科学相、茂木敏充科学技術政策担当相の4閣僚と個別に会談。中川経済産業相には、核燃料サイクル政策の継続、プルサーマル計画の実現、再処理施設の安全性確保とモラル向上・人材育成への取組みなどについて質問した。

 中川経済産業相は、「監督官庁として施設の工事、点検などお詫びする。核燃料サイクルはエネルギー基本計画に盛り込んでおり、当然ながら安全性と地元のご理解を前提に進める。政策に変更はない。プルサーマルは2010年までに16〜18基の実施を計画、やはり安全性と地元の了解を得ながら進める。日本原燃は地元住民の目線で説明、信頼を得るための最大の努力が必要。監督官庁としても、より厳しく管理監督し、品質保証体制をフォローアップする」とした。

 

 三村知事は16日に原子力委員会の近藤駿介委員長、電気事業連合会の藤洋作会長とも会談し、ともに核燃料サイクル政策の継続を再確認した。

 一方、日本原燃による総点検結果の説明会は六ヶ所村、青森市、八戸市、弘前市で開催。同社によると4会場で710名が参加、不正工事、品質保証などについて疑問応答があった。地元自治体を中心に開催予定の説明会は、現在、国・青森県・六ヵ所村による共催などの詳細を検討中だが、事業者の説明会より密度の高いものにする意向。

 こうした動きから、安全協定締結には時間が必要な状況で、今月開始予定のウラン試験は再延期される。


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