[原子力産業新聞] 2004年4月30日 第2233号 <3面> |
[RCAとFNCA] 政府代表者会合開く 12〜15日イスラマバードでアジア地域原子力協力協定(RCA)の第26回政府代表者会合が、4月12日から15日にかけて、パキスタンの首都イスラマバードにて開催された(=写真)。RCA加盟国のうち、インドを除く16か国から34名と、IAEA事務局3名が参加、日本からは、外務省の篠原守科学原子力課長ら4名の政府代表団と、アジア原子力協力フォーラム(FNCA)関係発表者1名が参加した。 開会式では、パキスタンのカスリ外務大臣が、パキスタンのRCAへの貢献と、原子力の平和利用の重要性を強調。続いてパキスタン原子力委員会(PAEC)のマスード委員が「IAEAは、すでに世界的に信頼性の高い保障措置を達成している。今後は予算・人員を技術協力など利用推進にさらに投入すべき」との見解を述べた。 会合では、RCAが作成を検討しているロゴマークの原案を討議し、レタリングなどの詳細作業を韓国にあるRCA地域事務所に付託した。 一方、RCA地域事務所は、韓国内から独自の財源を得て、新しいプロジェクトを主宰することを提案、これをマレーシア、フィリピン、オーストラリア、日本、ニュージーランドで構成する作業グループで議論することになった。またRCAプロジェクトの全体的な見直し作業を行なうべきとの提案が了承された。 次回RCA政府代表者会合はマレーシア、2006年にはタイで開催される。 今会合では、RCAとFNCAの協力の重要性も討議した。日本原子力産業会議アジア協力センター代表が、研究炉利用(核医学診断用アイソトープ製造、大気汚染源の追跡、新高分子材料開発)、農業(放射線育種やバイオ肥料)、医療(放射線によるがん治療)、工業(電子加速器利用)など生活に密着した分野での放射線利用、鉱石残滓など放射性廃棄物管理、安全文化向上(研究炉の安全運転)、また人材養成あるいは原子力広報など、FNCAプロジェクト活動の成果を紹介し、会合参加者は、さらに両者間の連携を深めることを支持した。 |