[原子力産業新聞] 2004年5月13日 第2234号 <2面>

[四国電力] プルサーマル申し入れ 伊方3で10年度までの開始目指す

 四国電力は10日、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を通常の軽水炉で使用するプルサーマルについて、同社の伊方発電所3号機(PWR、89万kW)において2010年度までに導入する方針を決め、愛媛県および伊方町に対して事前協議の申し入れを行った。

 安全協定に基づき行われたもので、四電の大西淳社長が愛媛県の加戸守行知事を、また太田克己副社長・原子力本部長が中元清吉伊方町長をそれぞれ訪ね、申し入れを行った。

 プルサーマル計画が具体化したのは、関西電力の高浜発電所(福井県)、九州電力の玄海発電所(佐賀県)に次ぎ、全国で3番目のこと。 大西社長の申し出に対し加戸愛媛県知事は、住民にわかりやすく説明することおよび、安全に向けた調査確認の徹底を求めている。今後は県などが設置する委員会が、同問題について審査を実施。了承すれば、四電は国に原子炉設置許可申請を提出することになる。

 現在伊方3号機では、炉心内に157体ある燃料のうち、定検時に約三分の一を新しいウラン燃料に交換している。四電の計画では、この取り替え燃料の一部として、MOX燃料を少数体ずつ(16体以下)使用し、将来的には全燃料の約四分の一(40体以下)まで、MOX燃料を装荷する予定。

 なおプルサーマル実施炉に3号機を選んだ理由として、四電は、(1)海外で利用されているPWR用MOX燃料の大半が、3号機と同じ燃料タイプ(17×17型)であること(2)既に設置変更許可取得済みの関電・高浜3、4号機も同タイプの燃料を採用すること――を挙げている。


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