[原子力産業新聞] 2004年5月13日 第2234号 <3面>

[国連安保理] 不拡散で決議 対テロ組織で

 国連安全保障理事会は4月28日、テロリストなど非国家組織による核、化学、生物など大量破壊兵器(WMD)入手を防ぐため、各国に国内法整備等を求めるとともに、安保理内にこの問題に関する特別委員会を設置する決議を、全会一致で可決した。この決議は、国連憲章第七条にもとづくもので、国連加盟国に対して強制力を持つ。

 同決議は、WMDを国際平和と安全に対する脅威とし、これと戦う必要を再確認、テロリストと認定されている「非国家勢力」の脅威およびWMDの非合法取引に強い懸念を表明。このうえで、これに対抗するため、国、地域、国際の各レベルでの努力が必要だとし、核兵器などの原料になる機微物質の拡散防止について、各国がさらに効果的な手段を執るよう求め、また、各国が核不拡散条約(NPT)等の国際条約を遵守するよう求めている。

 決議は、全ての国が「非国家勢力」によるWMDの開発、獲得、製造、所持、輸送等に援助を行うべきではないとし、これを禁止する法律を作成、実施すべきだとしている。また、機微物質の拡散について、適切な国内管理方法を実施すべきとしている。

 この決議の実施状況を監視するため、今後2年間にわたって安保理内に「特別委員会」を設置、全国連加盟国に、決議の履行状況を六か月以内に報告するよう求めている。


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