[原子力産業新聞] 2004年5月27日 第2236号 <2面>

[原子力安全・保安院] 保安検査時の現地指導で、結果と対応取りまとめ

 経済産業省原子力安全・保安院は24日、今年3月期の原子力発電所保安検査において実施された、「特別検査指導官による現地指導」の結果および、同院としての対応を発表した。

 昨年12月、「シニア検査官による、検査官に対する現地指導および検査官・事業者とのコミュニケーション支援を行うこと」を目的に整備された、「特別検査指導官制度」に基づき実施された検査指導において、抽出された検討課題について、保安院が検討・今後の対応策などを取りまとめたもの。なお、現地指導が行われるのは初めてのことで、保安院では同制度を、原子力安全規制の質的向上につなげていくことなどをねらう。

 今回対象となったのは、東北電・女川、東電・福島第一、中部電・浜岡、北陸電・志賀、関電・大飯、中国電・島根、九電・玄海、原電・敦賀、サイクル機構・もんじゅ――の9社・9発電所。これら発電所において、特別検査官は現地指導や保安検査への立会い、さらには検査官とのミーティング、事業者との懇談などを実施した。

 その結果、本音で議論を行える場として、事業者・検査官の双方から期待が寄せられた一方、昨年10月にスタートした新しい検査制度に対する不安等も寄せられたという。

 これら結果を受けた保安院では、院内で検討を実施。「モデルケースとなる、新たな手法を取り入れた保安検査を、今年度第2回保安検査より数期に渡り、毎期2発電所で実施する」など、各種対応策を打ち出している。


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