[原子力産業新聞] 2004年5月27日 第2236号 <3面>

[米DOE] ABWRグループに資金援助 TVA東芝等

 米国における新規原子力発電所検討の動きが盛んになる中、米エネルギー省(DOE)は23日、ABWRの可能性調査を行うテネシー川流域開発公社(TVA)等のコンソーシアムに、210万ドル(約2億4000万円)の財政支援を行うと発表した。

 

 このコンソーシアムは、TVAをリーダーとし、GE、東芝、ベクテル、グローバル・ニュークリアフュエル・アメリカ、米国濃縮会社(USEC)の六社が構成、4月23日にDOEへ補助事業の申請を行っている(本紙5月13日号3面参照)。

 検討対象の炉型としては、日本で実績のあるABWRを選択、2基・260万kWをTVAのベルフォンテ・サイトに建設する場合の可能性調査を行う。ABWR2基を建設する場合のコストとスケジュールを詳細に検討、2005年4月までに、米原子力規制委員会(NRC)へ建設・運転一括許認可(COL)を申請するか、また実際に建設へ進むかどうか決める意向だ。ABWRは1997年に、NRCから設計承認を受けている。

 必要な費用は425万ドル(約4億8000万円)とされており、DOEが半額を補助する。

 DOEは、2010年代初期に、少なくとも新規原子力発電所1基の運開を目指す「原子力2010」計画の一環として、すでに名乗りを上げている三コンソーシアムが、2005年中にCOL申請を行えるよう、この事業を進めている。

 DOEのエイブラハム長官は、「この調査は、産業界が新規原子力発電所を検討する上で、重要なステップだ」と述べ、原子力発電が二酸化炭素を放出しない唯一の大規模電源だと、原子力の重要性を強調した。


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