[原子力産業新聞] 2004年6月3日 第2237号 <1面> |
[九州電力] 玄海3号機 プルサーマルで事前了解願い九州電力が玄海発電所3号機(=写真左上、PWR、118万kW)での実施を予定しているプルサーマルについて、同社は5月28日、経済産業大臣に対して玄海3号機の原子炉設置変更許可を申請するとともに、地元の佐賀県および玄海町に対し、安全協定に基づく事前了解願いを提出した。九電では、同3号機の燃料集合体193本のうち、MOX燃料集合体を最大48体装荷する計画。2010年度までの開始を予定している。 5月28日に、佐賀県と玄海町を訪れた九州電力の松尾新吾社長は、玄海原子力発電所3号機におけるプルサーマル実施予定に伴い、安全協定に基づく事前了解願を提出。受け取った古川康佐賀県知事は同社長に対し、住民に向けての分かりやすい説明や、不安の声にも耳を傾けることなどを要請した。 一方、九電が経産省に提出した原子炉設置許可申請は、原子炉の設計変更や事故の影響の再評価が主な内容となっている。具体的には「変更の概要」として、玄海3号機の燃料集合体193本のうち、MOX燃料集合体を最大で48本装荷するとともに、燃料取り替え用水タンクのホウ酸濃度を原子炉停止に必要な濃度を確保するために、現状の2500ppm以上から3100ppm以上に変更することを明記。また「安全性の確保および周辺環境への影響」のうち、「安全解析および被曝評価」として、@運転時の異常な過渡変化および事故に関する安全解析を行い、燃料および原子炉冷却材圧力バウンダリなどの健全性評価を実施A平常時および事故時の発電所敷地周辺での線量評価の実施――の結果、「いずれも基準値を満足する結果が得られた」としている。 設置変更許可申請を受けた国は今後、一年程度かかるとされる安全審査に着手する。 |