[原子力産業新聞] 2004年6月3日 第2237号 <1面>

[政府] ITER誘致がヤマ場

国際熱核融合実験炉(ITER)誘致に向け、日本政府の動きが注目を集めている。今月18日頃にウィーンで開催予定の6カ国・地域の次官級会議おいて、日本サイトの方向を決定的にしたい意向。日本と欧州連合(EU)のやりとりも煮詰まってきたとされ、ITER誘致交渉はヤマ場を迎えている。

政府は5月26日、河村健夫・文部科学相、細田博之・官房長官、川口順子・外務相、中川昭一・経済産業相、6月18日前後の開催で調整中の次官級会議に向け、日本側対応策について意見交換した。

会議後、文科省研究開発局原子力課の渡辺格課長が記者会見したが、「今後の対応はEUとの腹の探り合いであり、意見交換の中身についてはノーコメント。日本政府の対応策について一部具体的な負担増額の報道もあったが、これについては肯定も否定もしない」。ただ、「交渉は煮詰まってきたと認識しており、日本としては次回の会合で決着が得られるようにしたい。6か国・地域の閣僚級会議で決着を予定していた。しかし支持が二分し、交渉が長期化。今年2月の次官級会議でも決着の方向性が見出せないため、日本とEU間だけの直接交渉がこれまで3回開催された。今月の会議で日本とEUがどのような提案を示し、決着の方向が見えるのか関心を集める。


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