[原子力産業新聞] 2004年6月10日 第2238号 <3面> |
[仏政府] 仏下院が大差で可決フランスの国民議会(下院)は1日、欧州加圧水型炉(EPR)実証炉の建設を含む「エネルギー政策法案」を358対157で可決、上院へ送付した。上院では9日から審議が始まる予定。 同法案は、仏のエネルギー・セキュリティ確保や地球温暖化への対応などを柱に、仏政府が4月に下院へ提出していたもの。法案の目的は、@エネルギー・セキュリティの確保と燃料価格変動による経済影響の低減A環境保護と地球温暖化防止B産業の国際競争力強化のため安価なエネルギーの供給C全仏国民にエネルギー供給を保証――など。 これらの目的を達成するため、エネルギー需要の対GDP弾性値の引き下げや再生可能エネルギー等の開発、送電網や備蓄施設の整備を挙げている。 原子力発電については、仏エネルギー・ミックス多様化の一環として、「将来の原子力発電所の退役に備え、EPR実証炉を建設する」と明記。さらに、「第4世代原子力発電および水素利用」などの研究・開発も行うとしている。 仏原子力発電所の退役は、2020年頃から本格化する予定だ。 1日の下院での投票では、投票議員515人のうち、圧倒的多数の与党の大統領多数派連合(UMP)332人と民主連合24人など、358議員が賛成票を投じた。反対は、社会党(129票)、共産党(22票)など157議員であり、総投票議員の3割のみだった。 |