[原子力産業新聞] 2004年6月10日 第2238号 <3面>

[IAEA] 核テロ対策に国際社会が協力

国際原子力機関(IAEA)は5月25日、2004年アテネ・オリンピックで核テロを防止するための合同行動計画を発表した。

これはIAEAが、ギリシャ原子力委員会とギリシャオリンピック委員会保安部からの支援要請を受けて行うもので、IAEAは、専門家によるアドバイスと技術支援を行う。行動計画には、原子力施設および核物質の防護、核物質密売の摘発、緊急時対応部隊の対策等が含まれる。これらの活動には、米・仏などからの支援も受ける。

アテネ郊外のデモクリトス研究炉の核物質防護は強化され、ギリシャの6都市にある医療用・産業用の放射性線源の保安措置は強化された。

ギリシャ国境や出入国か所には放射線検出器が設置され、携帯用検出器がいたるところに配備される。オリンピックの保安要員と税関職員には、携帯型放射線モニターが配布され、テロリストが「汚い爆弾」に使う可能性のある放射性物質を検出装置が配置される。

米DOEも協力

米エネルギー省(DOE)のエイブラハム長官は5月25日、ギリシャのアテネ市内にある開発省で、持ち運び型の放射線探知機をギリシャ側に手渡した。これは、米国がIAEAとともに、オリンピックでのセキュリティ強化に協力するため行ったもの。探知機は、放射性物質にかかわる緊急事態で使われる。

DOEはまた、ギリシャに対して技術支援や緊急時対応訓練なども提供、デモクリトス研究炉の警備強化にも協力する。


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