[原子力産業新聞] 2004年6月17日 第2239号 <1面> |
[原産] 長計策定で提言 「官民の役割明確化を」日本原子力産業会議は15日開催の原子力委員会定例会議において、長計策定の基本的考え方に関する提言を行った。 同提言は、原産の総合企画委員会委員を対象にアンケート調査を実施し、取りまとめたもの。個別政策ではなく、策定の前提となる基本的な考え方を提案しており、長計の位置付け、長計の備えるべき性格、長計策定のあり方の3項目からなる。 位置付けは、(1)原子力基本法の理念を明記し、エネルギー政策基本法に基づくエネルギー基本計画との関係を明確化すべき(2)人文・社会系を含む総合科学技術としての原子力であることから、内閣府としてのリーダーシップのもと、政府一体となった計画策定を進めるべき――の2点。 長計が備えるべき性格としては、(1)わが国社会における原子力の意義を明確にする総合的なビジョンの提示と併せて、専門的に裏付けられた行動計画を示すべき(2)国の施策として長計の実行性を高めるため、明確な思想とともに具体性、客観性を持たせるべき(3)メリハリのある計画、施策の重点化を図ることに加え、柔軟性の担保方策も導入すべき(4)電力自由化拡大を前提として民の事業者活動を中核としつつ、それが確実に達成されるための官民の役割を明確化すべき――の4点。 策定のあり方では、(1)計画策定のプロセスを社会に対して事前に明示すべき(2)前回の長計の総括・評価を行うべき――の2点を提言した。 宅間正夫・原産専務理事は、「原子力界は重要課題が山積しており、こうした中で策定される長計は、従来にも増してその役割が大きい」と指摘。原子力委員との間では、国民的な合意とするための手法、民間の自立した事業活動の重要性と責任、などについて意見交換があった。 |