[原子力産業新聞] 2004年6月17日 第2239号 <2面>

[日本原燃] 六ヵ所ウラン試験で説明会

 六ヵ所村再処理施設で、今月からのウラン試験開始を目指している日本原燃は、10日と14日、六ヵ所村と東京でそれぞれ、ウラン試験に関するメディア向け説明会を開催、ウラン試験の進め方や安全対策、試験中に予想されるトラブル130種類とその対応策などを説明した。

 原燃は仏COGEMA、英原子燃料会社(BNFL)、核燃料サイクル開発機構と契約を結び、UP2−800、THORPなど、先行施設の試験・操業時のトラブル情報約1200件を入手。これを分析し、六ヵ所施設に該当設備がないものなどを除き、約850件を六ヵ所再処理工場へ反映することとした。

 このうち機器に関する550件については、今年6月までに、再処理工場の設計・機器へすでに反映を終え、運転手順などソフトに関する約300件については、今後の試験結果を踏まえつつ、反映させる予定だ。

 これらの先行事例から、原燃は、ウラン試験時に発生が予想されるトラブル百3十種類とその対応を取りまとめた。これらはすべて、国際評価尺度(INES)でレベル0以下の軽微な故障。その例として、「せん断機における燃料集合体せん断片の噛み込み」(=左図)、「放出前貯槽への移送中における配管継手からの低レベル廃液の漏えい」などを挙げている。

 ウラン試験時にトラブルが起こった場合の公表について、法令報告対象事象や安全協定の報告対象事象等、比較的大きいトラブルの情報は、夜間・休祭日を問わず、速やかにプレス発表を行い、これに満たない放射性物質の漏えい等については、夜間に発生した場合は翌朝にプレス発表。

 軽微な放射性物質の漏えいで速やかに復旧した場合や、軽微な機器故障等、保全情報に該当するものは翌平日、ホームページへの掲載で公表。また、保守・補修の作業情報などの運転情報については、毎月集約して月1回、ホームページに掲載するとしている。


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