[原子力産業新聞] 2004年6月17日 第2239号 <3面>

[IAEA] 理事会、統合保障措置 日本で初の実施へ

 エルバラダイIAEA事務局長は14日、IAEA理事会で、日本について、核不拡散条約(NPT)に基づく包括的保障措置と、追加議定書を統合した「統合保障措置」の実施のめどがついたことを明らかにした。

 同事務局長は、「日本は、IAEA保障措置下で最大の原子力計画を持っている」とし、統合保障措置によって、IAEAは日本で、より効果的に保障措置業務を行えるようになると歓迎、「日本の数多くの施設での査察頻度を、顕著に減らすことができる」と述べた。

 統合保障措置が適応されるためには、申告された核物質に転用がなく、未申告の原子力活動もないと判断されることが条件。査察頻度は、軽水炉では年平均4回の査察が、2・4回程度に削減されるという。

河村文科大臣が談話

 IAEA理事会で、日本では核物質の転用や未申告活動等がないとの「結論」が報告され、統合保障措置が適応されることについて、14日、河村建夫・文部科学大臣は談話を発表、「わが国の原子力活動が平和利用に徹していることをIAEAが公式に認めたもの」とし、大規模な原子力活動を行う国では世界最初で「大変意義深い」と歓迎。また、世界で初めて日本に導入される「統合保障措置」を通じ、透明性と信頼性を高め、「国際的な核不拡散体制の強化に貢献する」と述べている。


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