[原子力産業新聞] 2004年6月24日 第2240号 <3面>

[英国] ラブロック氏が原子力利用訴え 英紙に寄稿

 環境保護主義者で「ガイア理論」提唱者の英国のラブロック博士(=写真)は、英インディペンデント紙で、「地球温暖化を止められるのは原子力のみ」と警告、気候変動と戦うためにもっと原子力を利用するよう求め、注目を集めている。

 同教授は、「原子力の危険性は、熱波や海面の上昇といった危険と比べるとその脅威は小さい」とし、再生可能エネルギーなどの非現実的なエネルギー源を試す時間はないと強調。今直ちに化石燃料の使用を停止しても、これまでの二酸化炭素の蓄積で、影響は千年に及び、これ以上の使用は子孫に致命的な影響を与えると警告している。

 ラブロック博士は、天然ガス利用が二酸化炭素の放出量を半減するとしながらも、メタンが二酸化炭素の25倍も温室効果を持つことを指摘。原子力に対する反対は、不合理な恐怖に基づいており、原子力は1952年当初から最も安全なエネルギーだと、原子力の利用拡大を訴えている。


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