[原子力産業新聞] 2004年7月1日 第2241号 <1面>

[日・EU] 首脳が不拡散宣言

 小泉首相は、6月22日、東京でアハーン・アイルランド首相(欧州理事会議長)、プローディ欧州委員会委員長と、第13回日・EU定期首脳協議を開催、軍縮・不拡散に関する共同宣言などを発表した。また、次期定期首脳協議までに実施する優先事項として、(1)核融合を含む原子力の研究・開発での協力と国際的な連携強化(2)日・ユーラトム原子力平和利用協定の早期締結――などを決めた。

 軍縮・不拡散に関する共同宣言は、カーン・ネットワークが明らかにした、核開発設備・技術の不正取引を、「日本とEUにとって深刻な懸念」とし、「不拡散体制を強化するために、国際社会は一丸となって、現在の抜け穴を塞がなければならない」と述べている。

 具体的な方策としては、(1)日・EUの政策対話と軍縮・不拡散問題での協力の再確認(2)核不拡散条約(NPT)や追加議定書等の普遍化と強化(3)他の諸国と軍縮・不拡散に関する対話と協力(4)不拡散問題の背後にある根元的な問題への適切な対処――などで合意。

 核軍縮・不拡散に関する協力の優先分野としては、(1)CTBTの早期発効(2)カットオフ条約交渉の早期開始(3)IAEA包括的保障措置協定と追加議定書の普遍化――など。また、輸出管理強化で協力するほか、拡散に対する安全保障構想(PSI)での協力強化もうたわれた。


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