[原子力産業新聞] 2004年7月8日 第2242号 <2面>

[東北電力] 燃料装荷・運開の延期を発表

東北電力は5日、同社が現在建設している東通原子力発電所1号機(=図)の燃料装荷時期および運転開始時期を、それぞれ遅らせると発表した。新規スケジュールによると、今年9月に行われる予定の燃料装荷は12月に、また運転開始時期は、来年7月から10月へと、各々3か月程度先送りされることとなる。

同1号機の着工後に女川原子力発電所等で確認された、応力腐食割れの発生事象を踏まえた対応工事を実施したことによるもので、具体的には安全性の一層の向上を図る観点から、国から有効な対策として認められている応力腐食割れ予防保全対策として、@炉心シュラウド等に対して「ショットピーニング工事」A原子炉再循環系配管等に対して「高周波誘導加熱処理工事」――を、当初の工事計画に追加して行っている。

同社はまた、設備の試験および点検についても、各種試験や点検の日数を増やし、より安全かつ確実に実施できるよう万全を期す方針としている。

なお東通1号機(BWR、110万kW)の工事進捗率は、6月末現在で約91%となっている。


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