[原子力産業新聞] 2004年7月15日 第2243号 <2面>

[原子力安全委員会] 今後の審議事項を決定

原子力安全委員会の安全目標専門部会は8日、第20回会合を開催し、同部会における今後の調査審議の進め方について検討した。

冒頭、前部会長の近藤駿介氏の原子力委員長就任に伴い、新部会長に岡芳明東大大学院工学系研究科教授を選び、今後の取り組み事項として、@安全目標の安全規制への活用APSA(確率論的安全評価)手法のレビューB性能目標の検討C国民との対話活動――の4項目について検討を進めることを決定した。これら事項は昨年12月にまとめた「中間とりまとめ」を踏まえたもので、当面は発電用原子炉施設を対象とする。

このうち、PSA手法のレビューに関しては、レベル3のPSAや地震リスクのPSAの実施マニュアルの整備、評価に使用するデータベースに関する客観性、信頼性の確保などの課題を指摘している。

一方、性能目標の検討では、原子炉施設運転時の重大な炉心損傷の発生確率、事故時早期の放射性物質放出の発生確率の検討を課題に掲げ、サイト条件(人口分布、気象条件)の相違、複数基立地の場合の扱い、防災対策の取り扱いなどといった論点を抽出している。

また、性能目標の検討に係わる調査審議を専門的かつ効率的に実施するため、新たに「性能目標検討分科会」を同部会の下に設置し、今後1年を目途に必要な検討を行っていくことを決定した。


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