[原子力産業新聞] 2004年7月15日 第2243号 <3面>

[米・原子力エネルギー協会] NEI、濃縮停止は非現実的と批判

米原子力エネルギー協会(NEI)は、「報告書中にある多くの核不拡散に関する勧告には同意する」としながらも、3〜5年間の商業濃縮の停止については、高濃縮ウラン希釈のさいにも、少量の濃縮作業が必要なことから、濃縮を停止すれば、ロシアの余剰高濃縮ウランの希釈事業自体が成立しなくなると指摘。また、世界の濃縮需要の40%を供給しているガス拡散法濃縮工場は、一度停止すれば、隔膜の維持が困難で、再起動は事実上不可能としている。

NEIはまた、再処理についても、商業再処理が核不拡散上の大きな脅威であるとの主張に「同意しない」とし、いくつかの国は長年にわたり、使用済み燃料をIAEAの保障措置下で再処理していると指摘した。

NEIは報告書案に対し、濃縮の停止ではなく、市場原理を十分に使って、各国が濃縮能力を持つ理由をなくすことを考慮するよう求めている。


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