[原子力産業新聞] 2004年8月5日 第2246号 <2面> |
[経済産業省] 全施設で「問題なし」経済産業省は7月27日、2003年度の原子力施設における放射性廃棄物の管理状況および放射線業務従事者の線量管理状況について発表した。 原子炉等規制法に基づき報告されるもので、それによると当該年度においては、@放射性気体廃棄物および、放射性液体廃棄物の放出状況は、全原子力施設において、それぞれの施設の保安規定に定める年間放出管理目標または3か月平均の濃度管理目標値を十分下回っているA放射性固体廃棄物について、全ての原子力施設において貯蔵設備容量を超えて保管している施設はないB放射線業務従事者個人の受けた線量は、全原子力施設において法定線量限度を下回っている――ことが明らかになった。 具体的には、放射性廃棄物について、実用発電用原子炉施設の03年度低レベル放射性廃棄物の発生量は、200リットルドラム缶換算で約5万5100本相当で、累積保管量は低レベル放射性廃棄物埋設センターへの搬出や焼却などといった減容効果から、約1180本相当の減少となり、これにより固体廃棄物貯蔵庫での保管量は、貯蔵設備容量約84万5600本相当(200リットルドラム缶換算)に対し、約52万7700本相当となっている。 また研究開発段階にある発電用に供する原子炉施設については、「ふげん」では貯蔵設備容量約2万1500本相当(同)に対し、保管量は約1万906本相当が。「もんじゅ」では、容量約2万3000本相当に対し、保管量約2476本相当が、それぞれ貯蔵されている。 さらに加工施設、再処理施設、廃棄物埋設施設、廃棄物管理施設などといった「その他原子力施設」についても報告されており、これら施設についても、貯蔵設備容量を超えて廃棄物を保管している施設はないことが明らかにされている。 一方、03年度の放射性業務従事者個人の受けた線量については、業務従事者1人当たりの平均線量で、実用発電用原子炉施設では1.4ミリシーベルト、「ふげん」では0.5シーベルト、加工施設各事業所においては、事業所の最大で0.4ミリシーベルト、再処理施設各事業所においては、施設の最大で0.5ミリシーベルト、廃棄物埋設施設及び廃棄物管理施設の各事業所においては、施設の最大で0.1ミリシーベルトとなっており、全原子力施設において、法令に定める線量限度(5年間につき100ミリシーベルトおよび、1年間につき50ミリシーベルト)を下回っていた。 |