[原子力産業新聞] 2004年8月5日 第2246号 <3面>

[イラン] イランが遠心分離機製造を再開

【テヘラン7月31日共同】イランのハラジ外相は31日、同国がウラン濃縮に使う遠心分離機の組み立て・製造を再開したことを明らかにした。イランの国営ラジオなどが伝えた。

イランは7月29日、英国、ドイツ、フランスの3か国と核問題をめぐり協議したばかり。イランは中部イスファハンのウラン転換工場の稼働を再開したとも報じられており、今回の措置に対し、同国の核兵器開発を疑う米国だけでなく、欧州諸国からの非難も強まりそうだ。

外相は、組み立て再開の理由について、イランの遠心分離機の組み立て中止と引き換えに、国際原子力機関(IAEA)の6月定例理事会で同国の核問題を終結するとした合意を、欧州3か国が守らなかったためと主張。一方でウラン濃縮計画の停止は順守していると強調。「信頼醸成のため(3か国との)協議を続ける」とした。

IAEA定例理事会は6月、イランに対し、核兵器開発につながる可能性のある重水炉建設計画やウラン転換工場の試験稼働の再考を要求する非難決議を採択。イラン側が反発を強めていた。


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