[原子力産業新聞] 2004年8月19日 第2247号 <1面>

[関西電力] 運転中の8基を順次停止し点検

美浜発電所3号機(PWR、82・6万kW)タービン建屋で9日に4人が死亡、7名が負傷した労災事故を受け、関西電力は13日、定検中の3基を除く、運転中の原子力発電所8基を3グループに分け計画的に順次停止、2次系配管の検査を実施すると発表。18日には高浜3号機で新たに8か所の点検漏れが確認され、同機の停止作業に入った。第1グループの大飯4号機、高浜2号機、美浜2号機は15日までにクールダウンを完了、17日から点検を開始した。

関電は美浜3号機の事故を受け、当初、過去の点検記録を調査、未点検部がある原子力発電所については運転を停止し、検査する方針を示した。しかし、福井県は、全ての原子力発電所の運転を計画的に順次停止し、速やかに直接点検を行い、健全性を確認するよう要請。今回の検査はこの要請に応えた実施となる。

8基のグループ分けは、第1グループが大飯4号機・高浜2号機・美浜2号機、第2グループが大飯2号機・高浜1号機・美浜1号機、第3グループは当初、大飯1号機・高浜3号機だったが、高浜3を前倒し。各発電所で各1基ずつを停止するグループ分けとし、第1グループはオリフィス下流配管に対する測定時期が近い3基を選定した。

点検対象は、減肉が進み易いとされるオリフィス下流部や曲がり部を中心としており、大飯4号機では合計43か所、高浜2号機24か所、美浜2号機10か所の予定。検査か所の多い大飯4号機でも21日までには検査完了の予定。配管の肉厚を超音波探傷検査により測定する。

同社では、遅くとも来月中には検査を終える予定。現在、定期検査のため停止している大飯3号機と高浜4号機についても検査。美浜3号機を含めた全11基では合計278か所が検査対象としている。


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