[原子力産業新聞] 2004年9月2日 第2249号 <1面>

[衆議院] 美浜事故で衆院委が閉会中審査

衆議院の経済産業委員会は8月31日、関西電力美浜発電所3号機の蒸気噴出事故に関し閉会中審査を行い、同社の藤洋作社長、岸田哲2副社長、辻倉米蔵取締役の3氏を参考人招致(=写真)した。

冒頭、中川経済産業相は、「電力供給に多大に貢献してきた地元の信頼を裏切り、誠に遺憾。小泉総理からも原因究明と再発防止に全力を挙げ、地元に分かり易く説明するよう求められており、抜本的な再発防止策に全力を挙げる」とした。

藤社長は、「大変痛ましい事故を起こし、悔やんでも悔やみきれない。関係者に深くお詫びする。責任を痛感している。点検漏れが何故発生したか、現在詳細を調査中だが、これを見抜く体制が出来ていなかった事を悔やんでいる。私自身が先頭に立ち、全社一丸となり品質管理体制の確立に取り組みたい」と述べた。

続いて自民党の松島みどり議員、公明党の斉藤鉄夫議員、民主党の吉田治議員・田中慶秋議員、共産党の塩川鉄也議員の5氏が質問。関西電力と日本アーム及び三菱重工業との検査業務の委託関係と経緯、2次系配管肉厚の管理指針、信頼回復に向けた取り組み、国としての対応策などを質した。原子力安全・保安院の松永和夫院長は、「現在、2次系は事業者による自主点検だが、国が関与するとすればどういう形が良いか検討したい」とした。


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