[原子力産業新聞] 2004年9月2日 第2249号 <1面>

[経済産業省] 「制度・措置」を了承

経済産業省は8月30日午後、電気事業分科会(会長=鳥居泰彦・慶應義塾学事顧問)を開き、核燃料サイクルバックエンド費用の外部積立や、電力託送の枠組みを使った「未回収コスト」処置スキームの創設など、バックエンド事業の「制度・措置」を盛り込んだ「中間報告」を了承した。今回、制度・措置の大枠を示す中間報告が取りまとめられたことで、今後、経産省は、バックエンド費用を管理する仕組みの構築など、具体的な法整備等を進める。

同報告案は、7月14日から8月13日までパブリックコメントに付され、780通のコメントが寄せられた。原子力発電や核燃料サイクルに反対するコメントが約600通寄せられたものの、これらの多くが、葉書に印刷された同一のコメントを組織的に送りつけるといったもので、パブリックコメントのあり方が、この日の論議の1つの中心となった。

また、原子力委員会の新計画策定会議が、直接処分と再処理のコスト比較を含め、核燃料サイクルの見直しを行っている最中に、経済的措置を決めることに対して、消費者団体の代表を中心に疑問が投げかけられ、議論となった。

委員の大半は、来年4月からの電力自由化拡大を目前に、バックエンド措置の先送りは許されないとの認識で一致。鳥居会長は、中間報告に盛り込まれた制度・措置が、現行の長計やエネルギー基本計画にもとづくものであること、これらの基本政策に変更がある場合は、電気事業分科会を開き、検討を行うことで取りまとめた。

また、バックエンド政策について、政府がより大きなリーダーシップを取るべきとの意見も寄せられた。


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