[原子力産業新聞] 2004年9月2日 第2249号 <2面>

[総合資源エネ調査会原子力部会] ウラン濃縮技術評価WG 新型遠心分離機の指摘事項を報告

総合資源エネルギー調査会原子力部会のウラン濃縮技術評価ワーキング・グループ(主査=山本一良・名古屋大学大学院教授)は、8月23日開催の第14回核燃料サイクル技術検討小委員会に、新型遠心分離機の基本仕様に係わる指摘事項を報告した。長期信頼性に関する試験を重視するとともに、最終仕様決定の際には経済性への認識も必要などとしている。

日本原燃が国の補助を受けて開発中の新型遠心分離機は、2005年度末までの単機開発終了、06年度からのカスケード試験、10年頃からの商用プラント導入を予定。細径・長尺の回転体による超高速状態でのガス制御、10年以上の連続運転など世界最高水準の性能を目指している。昨年度末までに基本仕様が示されたことを踏まえ、同小委員会はこの技術開発の中間評価を行うためのWGを今年3月に設置。同WGは現地調査も行い基本仕様について検討してきた。

WGは分離性能、長期信頼性、回転性能、異常時の安全・安定性、設備費など装置仕様とともに研究開発の計画や体制・運営についても指摘。分離性能では目標達成は可能で、解決困難な技術的課題は生じていないが、性能の向上に伴い、カスケード制御の困難性および長期信頼性低下の懸念があることから、これらに対する試験が重要としている。さらに最終仕様は、経済性や装置製造を考慮した総合判断が必要で、装置量産時における品質管理体制確立のための検討も早期に進めるべきとする。


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