[原子力産業新聞] 2004年9月2日 第2249号 <2面>

[美浜破損事故調査委] 肉厚保守管理の適切性等検討

美浜発電所3号機2次系配管破損事故調査委員会は8月27日、第3回会合を開催し、各事業者の配管肉厚保守管理の適切性、減肉傾向の分析と管理指針の評価などについて検討した。

保守管理の適切性は、報告徴収後に原子力保安検査官が抜取り資料確認などを実施、保安院がまとめたもの。関西電力については、社内標準に基づく点検・保守を実施し基本的仕組みを構築しているが、外部委託業務の管理が不十分であり、1部に社内標準外運用が判明、改善が必要とした。この標準外運用は、余寿命が短い部位に対し、発電用火力設備の技術基準の「ただし書」を独自に解釈し、美浜2号機の2か所に適用したもの。関電はこの2か所の配管の取替を行う。また、ツインプラント管理とした11か所は、社内標準にもルール化されておらず、不適切な管理と判断した。

関電以外は、短期間の資料チェックで集計数の誤りが発生したが、点検自体は適切と評価した。

管理指針の評価は、各事業者の配管肉厚管理手法の問題点抽出を目的に、報告徴収の減肉測定データの分析を基に実施したもの。PWRも減肉率の実績が管理指針の想定値以内に収まっており、適切な余寿命評価が行われ、補修・交換が実施されれば安全上の問題は生じない、としている。BWRは給復水系への酸素注入などにより、減肉は全体的にPWRより少なく、現在の管理手法で特に問題はない、と評価した。


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