[原子力産業新聞] 2004年9月9日 第2250号 <1面> |
[原子力安全・保安院] 再発防止策を提示総合資源エネルギー調査会の美浜発電所3号機2次系配管破損事故調査委員会は6日、第4回会合を福井市内で開催、再発防止対策を検討するとともに、配管破損メカニズムの調査状況の報告を受けた。 今会合には福井県の西川一誠知事、オブザーバーとして福井県原子力安全専門委員会の5名の委員、経済産業省からは泉信也副大臣が出席した。 原子力安全・保安院は、検討が必要な再発防止対策として、安全規制と事業者の保守管理活動(品質マネジメント)の両面で項目案を示した。安全規制面では国の関与と技術指針の明確化。2次系主要配管は昨年10月の法令改正で定期事業者検査の対象になったが、これが有効に機能するよう、同検査の減肉管理の実施方法と実施状況について、国の確認方法など規制関与を明確化する方針。 技術指針では、現在のPWR管理指針を最新の知見に基づき見直しが必要と指摘。学協会など中立的な機関で透明性のあるプロセスで検討し、民間指針として公開するとともに、規制上の位置付けも検討する。BWRも各事業者が統一した管理手法で実施することが望ましく、検討する方針。 保守管理活動面は、保守管理基準の明確化、保守管理業務の外注責任の明確化、人的過誤の軽減の3項目。管理指針と異なる個別判断が現場で行われていた点を考慮し、電力会社の2次系配管肉厚管理の社内規定について、品質管理上の要求事項を明確化する。外注責任では現状を検証し、外注管理の在り方、技術情報の的確な共有の在り方について検討。人的過誤の軽減では、管理部位に関するデータの電子化などを進め、クロスチェック体制を整備、点検部位追加の判断を容易にする対策を電力会社に促す意向。 一方、調査状況では、A系配管の破口部の最も薄い部分は0.4ミリメートル、B系も同じ部位は1.8ミリメートルまで減肉していた事などが報告された。0.4ミリメートルの部分は破口時に肉厚が薄くなった可能性もあるため、今後詳細を調査する。 |