[原子力産業新聞] 2004年9月16日 第2251号 <1面>

[原子力安全委・専門部会] 安全指針を体系的に見直し 民間基準取り入れへ

 原子力安全委員会は7日、原子力安全基準・指針専門部会の会合を開催し、安全審査指針類の体系的な見直し作業に着手した。同専門部会では今後、学協会基準など民間基準の安全指針への取り入れも視野に入れ、その技術的妥当性を確認するため、分科会を設置し検討していく意向だ。

 安全審査指針類の体系的な見直し作業では、指針要求事項に対して最新の知見を反映させることが求められているが、そのさい、その知見が適用できるだけの技術的妥当性を有することを確認しながら、民間の基準等を活用することが有効だ。民間基準等を指針として位置付ける場合には、技術的妥当性の考え方に基づき検討することが重要。

 会合では、最近、学協会基準の1つとして示された日本原子力学会標準委員会の「BWRにおける過渡的な沸騰遷移後の燃料健全性評価基準・2003」の妥当性について検討した。沸騰遷移とは、運転中のBWRで燃料棒表面を覆う液膜が消失(ドライアウト)する現象。これが起こると燃料棒表面から冷却水中への熱伝達が低下し、燃料被覆管温度が上昇し、燃料健全性を脅かす可能性があると考えられている。

 同部会では、技術的な細部についてさらに検討するため、9名で構成される「沸騰遷移後燃料健全性評価分科会」の設置を決めた。


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