[原子力産業新聞] 2004年9月16日 第2251号 <2面>

[WNA] 年次総会 経済性等で議論

【10日ロンドン=菊山薫子】8日から10日にロンドンで、世界原子力協会(WNA)の年次総会が開催、欧米やアジアの原子力産業界と政府から250名以上が参加した。会議では2日間にわたり、原子力の将来、放射線防護、水素経済と持続可能な発展、核燃料サイクル、産業界インフラの変貌、原子力の経済性など、6つのセッションで講演や議論が行われた。

 総会では、欧州エネルギー・輸送委員会のL・デ・パラシオ委員のEU原子力政策に対する貢献を称え、原子力利用への貢献者に贈られるWNA賞を贈呈した。受賞にあたり同氏は、京都議定書を達成するためにEUにとって原子力が重要であることを強調した。

 GE原子力社のA・ホワイト社長は、GE社が今後とも長期的に原子力開発に携わると言明、軽水炉が天然ガスに対して競争力を維持できると強調した。さらに、仏アレバ社のA・デ・モンタレムベール副社長は、再処理の経済性が過去から長期的に改善されてきており、廃棄物処理処分の観点からも、再処理が将来重要であると説明した。

 しかし各講演者とも、原子力の経済性に関しては、現在の規制緩和された電力市場では、原子力発電所の新規発注は困難であること、また、民間産業界が投資することの長期的リスクを指摘した。


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