[原子力産業新聞] 2004年9月30日 第2253号 <1面>

[政府] 第2次改造小泉内閣が発足

小泉首相は27日、内閣改造を行い、中山成彬氏が文部科学大臣に、棚橋泰文氏が科学技術政策担当の内閣府特命担当大臣に就任。中川昭一経済産業大臣は留任し、原子力関係閣僚の顔ぶれが固まった。

27日の初閣議後、千代田区丸の内の文部科学省庁舎に到着した中山成彬文部科学大臣(=写真左)は会見に臨み、「やり甲斐のある仕事。責任重大だ」と、就任の感想を述べた。

同相はまた、記者団からのITER誘致問題についての質問に対し、近年欧州においても誘致活動が活発化していることに触れながら、「基本的には、何とか日本でやりたいと思っている」と述べ、青森県・六ヶ所村への誘致活動を積極的に展開する方針を示唆。

核燃料サイクルについては、「エネルギー資源に乏しいわが国にとって、核燃料サイクルを進めるのは絶対に必要なことだ」と強調し、長計改訂作業が行われている現在、「文科省は原子力の研究開発を進める立場から、原子力委員会などの求めに応じて協力をしていきたい」と、抱負を語った。

中山成彬(なかやま・なりあき)氏 1943年宮崎県生まれ。66年東京大学法学部卒、大蔵省入省、78年同省主計局主査(防衛担当)82年大蔵省大臣官房企画官、同年大蔵省を退官、政治活動に入る、86年衆議院初当選、90年文部政務次官、99年衆議院商工委員長、2001年経済産業副大臣、03年自民党副幹事長

棚橋泰文・科学技術担当大臣は27日の会見で、「美浜原子力発電所の死亡事故を重く受け止め、新原子力長期計画を策定したい」と抱負を述べた。

棚橋氏は1963年生まれ。1987年東大法学部を卒業後、通産省(当時)に入省。機械情報産業局電子政策課課長補佐を経て、1993年に弁護士を開業。96年に岐阜県第2区から衆議院議員初当選。現在3期目。

経済産業大臣に留任した中川昭一氏は、27日夜、初閣議後の記者会見で、原子力発電および核燃料サイクルについて、「国民的理解、あるいはご地元の理解を得るためには、何と言っても、担当大臣である私が信頼関係を得なければだめだ」と述べ、青森県、福井県、美浜町をはじめとする、原子力施設立地地方自治体との信頼関係の確立に向け、「誠心誠意、意を尽くして」、「政治家としてこの問題には、引き続き全力を挙げて取り組んでいきたい」と抱負を述べた。

また、最近の石油価格の高騰について、「国内エネルギーと言っていい、原子力エネルギー、水力エネルギー等々を、ベストミックスできちっとやっていくというエネルギー政策が、これからもますます重要になっていく」と強調した。


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