[原子力産業新聞] 2004年10月7日 第2254号 <1面>

[九州電力] 九電玄海2、3に初の「A」評価

経済産業省原子力安全・保安院は、原子力安全基盤機構が審査を行った「原子力発電所における定期安全管理審査」について評定を行い、1日に結果を各事業者へ通知した。これによると、九州電力の玄海原子力発電所2、3号機が、同審査が始まって以来、初の「A」評価を獲得した。

昨年10月に施行された、改正電事法で導入された新たな制度。具体的には、定期事業者検査の実施に係る組織、検査の方法、工程の管理検査に係る教育訓練などが品質保証及び保守管理に関するルールを満たしているかについて、原子力安全基盤機構が抜き打ち的手法も用いた文書及び現地の確認を行う審査を実施し、その結果に基づいて、国が総合的な評定を行うかたちで実施される。

今回審査の対象となったのは、北海道電力の泊発電所2号機第1回定期安全管理審査、関西電力の高浜発電所1号機第1回定期安全管理審査、四国電力の伊方発電所2号機第1回定期安全管理審査、九州電力の玄海原子力発電所2号機第1回定期安全管理審査、九州電力の玄海原子力発電所3号機第1回定期安全管理審査の5件。

機構では、当該定期事業者検査の実施に係る体制について、審査基準の要求項目に基づき延べ300項目以上に及ぶ審査を実施。結果を受けた保安院では、玄海2、3号機については「A」、泊2号機、伊方2号機については「B」、高浜1号機については「C」とそれぞれ評定し、同日各事業者へ通知した。なお評定については、定期事業者検査の信頼性・透明性を確保するとともに、事業者の安全確保の取り組みを促すことをねらい、段階に応じて次回の定期安全管理審査の実施項目を増減させるなどの、インセンティブ規制が行われる。


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