[原子力産業新聞] 2004年10月28日 第2257号 <5面> |
[仏電力公社] 仏フラマンビルに建設仏電力公社(EDF)のガドネックス会長は21日、160万kW級の欧州加圧水型炉(EPR)を、2007年からフラマンビル原子力発電所サイトに建設すると発表した。 これは、21日のEDF取締役会での決定を受けたもので、2007年から仏北部ノルマンディー地方のコタンタン半島にあるフラマンビル・サイトにEPRを1基建設、2012年の運転開始を目指す。EPR立地は近く公衆討議全国委員会に諮られる予定。 今回の決定は、仏原子力発電所としては、1993年のシボー原子力発電所2号機(PWR、156万kW)の発注以来、11年ぶりとなる。EPRとしては、昨年10月のフィンランドの電力会社ティオリスーデン・ボイマ・オイ(TVO)による、EPR建設決定に続くもの。 サイトは、EDFの20余りの原子力発電所既設サイトから選ばれ、最終的には、フラマンビル、パンリー、トリカスタンの3サイトから、サイトの状況、送電線の容量、地元の社会的、政治的、経済的な受容性などを考慮して、フラマンビルが選ばれたという。 EPR導入についてEDFのガドネックス会長は、「将来、EDFの原子力発電所を経済的に更新できるようになり、また、輸出市場の『ショーケース』にもなる」とコメント。原子炉系統を供給する仏アレバ社のローベルジョン会長は、「EPRは、エネルギー独立、競争力、地球温暖化対策を重視する仏戦略を強化する。EPRは第3世代炉市場でのフラッグシップとしての立場を強化できる」としている。 今年3月の総選挙後に成立した第3次ラファラン内閣では、ラファラン首相をはじめ、実力者のサルコジ経済・財務・産業相がEPR建設に積極的な姿勢を示し、仏国民議会(下院)も6月、EPR実証炉の建設を含む「エネルギー政策法案」を大差で可決、EPR建設への政治的気運が高まっていた。これを受け、EDF取締役会は6月下旬、EPRプロジェクトの推進を決めたが、F.ルスリー(前)会長の退任と後任人事の遅れから、EPR導入の決定も遅れていた。 |