[原子力産業新聞] 2004年11月18日 第2260号 <1面>

[原子力委員会] 全量再処理路線継続を決定

原子力委員会は12日、第12回新計画策定会議を開催、使用済み燃料の全量再処理を基本とする核燃料サイクル政策の中間取りまとめ案を審議した。「FBRの記述は意欲に欠ける」、「中間貯蔵分の処理方策の検討は早期に」などとともに、一部委員からは反対意見も出されたが、基本的に同案を了承、全量再処理継続を正式決定した。同会議は次回から「安全の確保」のテーマに移る。

中間取りまとめ案は、当面の政策の基本的方向について、「処理能力の範囲で再処理し、これを超える使用済み燃料は中間貯蔵する。中間貯蔵分の処理の方策は六ヶ所再処理工場の実績やFBR等の進捗状況を踏まえ2010年頃から検討開始。この検討は基本方針(再処理しプルトニウムやウランを有効利用)を踏まえ柔軟性にも配慮し、六ヶ所再処理工場の操業終了に十分間に合う時期までに結論を得る。(中略)なお、国及び民間事業者は長期的には技術動向、国際情勢等に不確実性が多々あることから、それぞれにあるいは協力して、将来の不確実性に対応するために必要な調査研究を進めるべき」とする。

委員からは「適切な内容」とともに、「FBRに関する記述が弱い」、「中間貯蔵分の検討は2010年頃より早めるべき」などの要望も複数出されたが、ほとんどの委員が一部内容の修正を議長に一任することで了承。ただ、伴委員は「基本方針に同意できず、様々な要請や要望への対応も議論すべき」として反対、吉岡委員は「原子力政策議論後に再度議論すべきで、今は同意できない」とし、渡辺委員は「40トンの現有プルトニウムがあり再処理を急ぐ必要はない」などとして賛否を保留した。

近藤議長は、「全委員合意には至らないが、基本的に中間取りまとめ案を了承頂いたと判断し、核燃料サイクル政策の議論は今回で終了、次のテーマに入りたい」とした。


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