[原子力産業新聞] 2004年11月18日 第2260号 <3面>

[オーストラリア外務省] シドニーで核テロ・保障措置会議

 オーストラリア外務省は8、9の両日、シドニーで「保障措置と核セキュリティに関するアジア太平洋会議―核テロに対する防護対策」閣僚会議を開催、アジア太平洋地域から、18か国の閣僚級代表、および7か国・国際機関から代表が参加した。日本からは福島啓史郎・外務大臣政務官が代表として出席、国際原子力機関(IAEA)からはエルバラダイ事務局長が参加した。

 この会議は、世界的に核テロや核拡散の脅威が高まるなか、アジア太平洋地域でも保障措置や核セキュリティの認識を高めるべきとして、オーストラリア外務省のイニシアティブで開かれたもの。

 同会議でまとめられた声明文書は、「原子力平和利用の便益を享受するためには、強固な保障措置と核セキュリティの枠組みが不可欠」とし、国家間の核兵器拡散と、原子力施設や放射性物質のテロの可能性という、2種類の脅威を特定。保障措置と核セキュリティ強化のため、@追加議定書でIAEAの保障措置を強化し地球規模で実施A核物質と施設防護の強化B放射線源の管理と防護の確保C放射性物質・技術の輸出管理と国内管理の強化D放射性物質の不法取引探知のため能力の確保F放射性物質保安でIAEAの支援の活用――などを盛り込んだ。


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