[原子力産業新聞] 2004年11月25日 第2261号 <1面>

[青森県、六ヶ所村、原燃] ウラン試験で安全協定調印

 青森県、六ヶ所村、日本原燃の三者は22日、電気事業連合会の立ち会いのもと、六ヶ所再処理工場のウラン試験に係わる安全協定に調印した(=写真、日本原燃提供)。今後、六ヶ所村隣接の六市町村とも同様の協定を締結、来月下旬から1月上旬には同試験開始の見通し。延期に延期を重ねたウラン試験の開始により、六ヶ所再処理工場は竣工に向け大きな一歩を踏み出した。

 青森市内のホテルで行われた調印式には青森県の三村申吾知事、六ヶ所村の古川健治村長、日本原燃の兒島伊佐美社長、電事連の藤洋作会長などが出席。

 三村知事は「県民の安全と安心の確保を重点に慎重な上にも慎重に手順を踏み、締結に至った。県民の信頼が得られるよう一層の責任感、使命感、緊張感を持ち万全の体制で臨むことを強く求める」とした。古川村長も「原子力に対する信頼を回復し、安心感を醸成するため全社一丸となって欲しい」と要請。兒島社長は「操業に向けた大きな一歩であり、事業遂行に強い決意と使命感を持ち全力で取り組む決意を新たにしている」とした。

 現在、日本原燃ではウラン試験に続くアクティブ試験を来年11月から開始、2006年7月には竣工を目指しているが、ウラン試験開始から竣工までの期間は、昨年九月に策定した修正計画に比べほぼ半分という状況。このため、竣工時期は両試験の状況を踏まえ、慎重に検討される見通し。

 ウラン試験開始を巡っては、今年6月に県が安全協定案を提示し、県議会全員協議会や県原子力政策懇話会などが内容を検討。一方で同月から原子力委員会・新計画策定会議で核燃料サイクル政策の議論が開始された。このため日本原燃は早期開始に期待を込め毎月、1か月ずつ開始年月を延期する計画変更届けを経済産業省に提出し続けた。

 締結への動きは今月12日の同策定会議による全量再処理継続決定で一気に加速。15日に三村知事と関係閣僚などの「核燃料サイクル協議会」が開かれ、県がサイクル政策の政府方針を確認。18日には県が兒島社長や原子力安全・保安院の井田久雄審議官と会い、安全確保への取組みなどを最終確認した上で、締結を申し入れた。日本原燃は19日、県に協定案受け入れを伝えた。


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