[原子力産業新聞] 2004年12月2日 第2262号 <2面>

[安全目標専門部会性能目標検討分科会] PSA手法の整備など検討

原子力安全委員会の安全目標専門部会性能目標検討分科会は11月24日、第2回会合を開催し、安全目標の安全規制への活用のあり方、確率論的安全評価(PSA)手法の整備・研究状況、レベル1、2PSAの内容と解析結果等について審議した。

安全目標、性能目標の活用と考え方については、前回分科会での審議内容を踏まえ、事務局が取りまとめたものによると、応用分野は、@審査指針や技術基準の策定等への活用A安全許認可活動への活用B事業者が行う自主保安活動への活用C国民との意見交換の円滑化─の4つがある。今後、具体的応用のための検討とともに、活用のための新たな性能指標の要否に関する検討が必要としている。

一方、PSA手法の整備・研究状況については、日本原子力学会標準委員会、原子力安全基盤機構、日本原子力研究所の関係者が報告した。報告によると、学会標準委員会では、すでに『原子力発電所の停止状態を対象とした確率論的安全評価手順ー2002』を制定済みであり、さらに「レベル1確率論的安全評価手順」、「レベル2確率論的安全評価手順」、「地震時確率論的安全評価手順」、「定期安全レビュー標準」などの検討を実施中で、来年にも標準の制定を目指している。

原研では、PSA手法の改良と拡張に取り組み、軽水炉に関するPSAの不確実さ評価手法の検討とともに、核燃料施設への適用方法の検討を行った。さらに安全目標・性能目標検討のための研究も行い、性能目標導出の準備段階として、ソースタームに対する条件付き個人リスクについて、サイト気象条件への依存性、防護対策の有無の影響、モデルの不確実さなどの観点で解析・検討を実施している。

基盤機構では、原子炉施設のPSA手法整備に取り組み、レベル1PSAについては、運転・停止時の内的事象に関して整備を終了し、実機の解析評価に適用できる段階に至っている。レベル2、3については、運転時に関して整備を終了し、停止時に関しては「ドミナント事故シーケンスの解析」を実施中である。地震、火災等の外部事象については、レベル1、2、3ともに、解析手法の整備に取り組み中である。


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