[原子力産業新聞] 2004年12月9日 第2263号 <2面> |
[サイクル機構] 「もんじゅ」裁判 最高裁、国の上告受理を決定1995年12月の2次系ナトリウム漏れ事故後、運転を停止している核燃料サイクル開発機構の高速増殖炉原型炉「もんじゅ」をめぐり、住民らが原子炉設置許可の無効確認を求めた行政訴訟で、最高裁第一小法廷(泉徳治裁判長)は2日、国側の上告を受理する決定をするとともに、双方の主張を聞く口頭弁論を、来年3月17日に開くことを決めた。 2000年3月の一審・福井地裁判決は、「安全審査において、重大で明白な欠陥があるとは認められない」とし、「もんじゅ」の原子炉設置許可の無効確認を求めた原告・住民側の請求を棄却したが、03年1月の2審・名古屋高裁金沢支部判決は「安全審査の判断の過程に、見逃しがたい過誤および欠落があった」として、設置許可を無効とする住民勝訴判決。これに対して国側は、@二審判決では非現実的な仮定で安全審査を違法としているA原子炉設置許可の適否が争われた、92年9月の最高裁判例に反するB行政処分の無効には、「重大かつ明白な違法」が必要であるにも係わらず、明白性についての判断がなされていない――ことなどから、上告受理を申し立てていた。 ◇ サイクル機構のコメントもんじゅ行政訴訟(もんじゅ原子炉設置許可処分無効確認等請求上告受理申立事件)について、最高裁第一小法廷が「受理決定」をされるとともに、併せて、3月17日午後1時30分に口頭弁論を開催する旨が報じられた。 当機構としては、1日も早く地元のご了解を得て「もんじゅ」の改造工事に着手できるよう、今後も更に努力してまいる所存だ。 |