[原子力産業新聞] 2004年12月9日 第2263号 <2面>

[医用原子力技術研究振興財団] 次世代がん治療テーマに講演会

医用原子力技術研究振興財団は2日、東京・丸の内の東京国際フォーラムで第1回講演会「原子力(放射線)利用技術の医療への貢献ーー期待される次世代がん診断・治療法」(=写真)を開催した。最新のがん治療技術への関心は高く、230名の来場者は各講演を傾聴した。

同財団は8年前に発足、今年度から広報活動を一層充実するため、講演会や広報誌「医用原子力だより」を発行。冒頭、森亘理事長は、「医用原子力は必ずしも社会に十分知られておらず、場合によっては誤解もある。医用分野の原子力は粒子線、中性子線、高精度X線、PETなど様々に利用されており、講演会や広報誌を社会との架け橋にしたい」と挨拶した。

今講演会では、第1部として放射線を用いるがん治療の歴史と進展状況(平尾泰男・同財団常務理事)、CT付きPET装置によるがん診断の最近の状況(吉川京燦・放医研室長)、高精度X線放射線治療の現状と展望(平岡眞寛・京大大学院教授)、原子炉中性子から加速器中性子への移行が見込まれる中性子捕捉療法の現状(中川義信・国立病院機構)など。第2部では第3次対がん十か年総合戦略と放射線の医学利用推進について、厚生労働省と文部科学省が説明。第3部では陽子線がん治療(荻野尚・国立がんセンター部長)、炭素線がん治療(辻井博彦・放医研センター長)の講演が行われた。


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