[原子力産業新聞] 2004年12月9日 第2263号 <2面>

[四国電力] 発見されたきずで、原因と対策発表

伊方発電所1号機(PWR、56万6000kW)において、第22回定期検査中、冷却材貯蔵タンク出口配管の微小な傷が確認された事象について、四国電力は1日、原因と対策について発表した。

傷は11月22日、03年6月に発生した「伊方1号機安全注入系統テストライン配管のひび」を受けて実施された、冷却材貯蔵タンクC出口配管点検のための液体浸透探傷検査を実施したところ発見されたもので、最大長さは12mm。

外観点検及び浸透探傷検査の結果、@傷が確認された箇所の配管外表面に、矩形状の、テープののり跡と思われるさび色の付着物が認められたA傷は、約12mmと約11mmの2本の線状のひびで、付近には溶接部のないことを確認。また詳細調査の結果、ひびは塩化物応力腐食割れと推定され、深さは最大で配管外表面から3.1mm、配管厚さは6.8mmあることから、必要厚さ(0.07mm)を満足しており、強度上問題はないことが確認された――としている。

さらに当該箇所上部天井付近に、溶接部が腐食し水が漏えいした痕のある現在使用されていない所内用水配管があり、また本件出口配管の上部にある冷却材貯蔵タンクへの戻り配管に、当該所内用水配管から漏えいした水が落下した痕跡が認められたことなどから、四電では、事象は過去の作業において貼り付けられたテープののり跡に、所内用水配管から落下した漏えい水に含まれる塩化物が付着して濃縮され、塩化物応力腐食割れが発生したものと推定。このため、今後は当該部分の配管を取り替えるとともに、配管について、撤去又は他の配管に影響のないことを確認する。

四電では、今回定検中に類似配管を点検し漏えいのないことを確認するとともに、伊方2、3号機についても、次回定検において同様の点検を実施する方針だ。


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