[原子力産業新聞] 2004年12月16日 第2264号 <1面>

[原子力委員会] 中間取りまとめを審議

原子力委員会の新計画策定会議は10日、第14回会合を開催し、事業者から安全確保対策について聴取するとともに、「安全確保に関する中間取りまとめ案」を検討した。22日の次回会合で取りまとめの最終検討を行う予定。

今会合には関西電力の藤洋作社長、日本原燃の兒島伊佐美社長、東京電力の勝俣恒久社長が出席。それぞれ「美浜発電所3号機2次系配管破損事故を踏まえた今後の課題と取り組み状況」、「安全確保・信頼回復への取り組み状況」、「原子力発電所点検作業の不祥事に対する再発防止と安全確保に向けた今後の取り組み」を報告した。

委員からは「安全対策の理解を得るには公開の場で議論し、中立的立場の専門家の説明が重要」(児嶋委員)、「事故対策には産官学一体の取り組みが不可欠」(庭野委員)、「安全専門家を社外取締役に起用する検討を」(岡本委員)、「各事業者間で事例の水平展開が重要」(笹岡委員)などの意見が出された。

中間取りまとめ案は前回の議論を踏まえ素案として示されたもの。新計画における安全確保に係わる基本的な考え方として、@安全規制の手段と体系A安全規制活動の役割の認識・期待・課題B事業者の責任C防災計画Dテロ対策E変更管理F高経年化対策G科学合理性の維持H被規制者に分かりやすい規制の実現――などで構成。手段の中で、現行の「強い規制」を見直す必要はないが、効果的・効率的な規制とするため、絶えず見直しが必要とし、役割の中で、現行規制体制を見直す強い必要性は見出されない、などとしている。

委員からは「安心確保のために国は何をすべきという視点を盛り込むべき」(山名委員)、「安全について質の高い専門家の育成が重要との観点からの内容の充実が必要」(田中委員)、「規制に重点を置いた内容であり、安全確保のパフォーマンスを如何にあげるかという点に重点を置く内容にすべき」(岡崎委員)、「安全確保にも産業界や学会など民間の活力を活かす視点の内容にすべき」(井川委員)、「地元との関係に重点を置いた記述が必要」(草間委員)などの意見が出された。

事務局では意見を踏まえて取りまとめ案を修正、次回会合に最終案を示す。


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