[中部電力] 今年運開する原子力発電所 浜岡原子力発電所５号機

　今年、わが国ではふたつの原子力発電所が運転を開始する。

　まずひとつめは、中部電力の浜岡原子力発電所５号機だ。運開は今月を予定。

　改良型沸騰水型軽水炉、出力は１３８万ＫＷと、わが国最大の原子力発電ユニットとなる同５号機は、２００４年３月２３日に初臨界を迎え、その後は順調に各種試験および検査をクリア。既に先月より定格熱出力一定運転を実施しており、現時点でまさに運開まで秒読みの段階まで達している。

　浜岡原子力発電所５号機は、中部電力としては初、わが国では３番目の改良型沸騰水型軽水炉（ＡＢＷＲ）が採用されている。原子炉熱出力は３９２．６万ＫＷと、やはりＡＢＷＲを採用する東京電力の柏崎刈羽原子力発電所６・７号機と同じだが、改良型蒸気タービンの採用により、電気出力は１３８万ＫＷと、国内最大を誇る。現在浜岡５号機では、運開前の最終検査である「負荷検査」の準備が実施されており、同検査が無事終了すれば合格書が発行され、営業運転が開始される。

所在地　静岡県御前崎市佐倉

敷地面積　約１６０万平方メートル

原子炉型式　　改良型沸騰水型軽水炉（改良型ＢＷＲ）

電気出力　１３８万ＫＷ

主な経緯　▽１９９６年１２月１８日　第一次公開ヒアリング▽１９９７年３月２７日　電源開発調整審議会承認（第１３４回）▽１９９８年６月４日　第二次公開ヒアリング▽１９９９年３月１９日　着工▽２００４年３月２３日　初臨界▽２００４年４月３０日　発電開始

今年１月　運転開始予定

各出力段階の発電開始・停止実績について

２０％段階　発電開始　４／３０　発電停止　５／２８

タービン保安装置試験・検査、発電機負荷遮断試験・検査、系統運転性能試験・検査、外部電源喪失試験・検査を実施

５０％段階　発電開始　５／２９　発電停止　６／２８

プラントトリップ試験・検査、発電機負荷遮断試験・検査を実施

７５％段階　発電開始　６／２９　発電停止　７／１６

発電機負荷遮断試験・検査を実施

１００％（１）段階　発電開始　７／２４　発電停止　９／１９

系統運転性能試験・検査、圧力制御試験・検査、給水系試験・検査、再循環流量制御試験・検査、制御棒に対する中性子束応答試験・検査、再循環ポンプトリップ試験・検査、発電機負荷遮断試験・検査、主蒸気隔離弁全閉試験・検査を実施

１００％（２）段階　発電開始　１０／２７　発電停止　１１／２４

系統運転性能試験・検査、圧力制御試験・検査、給水系試験・検査、再循環流量制御試験・検査、制御棒に対する中性子束応答試験・検査、再循環ポンプトリップ試験・検査、発電機負荷遮断試験・検査、主蒸気隔離弁全閉試験・検査を実施

１００％（３）段階　発電開始　１２／８

負荷試験・検査を実施