[原子力産業新聞] 2005年1月13日 第2266号 <2面> |
[原子力委] 福島県知事から ご意見を聴く会開く原子力委員会は12月22日、第15回新計画策定会議の冒頭で「福島県知事のご意見を聴く会」を開催(=写真)した。佐藤栄佐久知事は、同会議の核燃料サイクル政策の議論が不適切と批判、併せて原子力委員会は内閣に経産省と原子力安全・保安院の分離を提言すべきと主張した。 核燃料サイクル政策について同知事は「判断材料が揃った瞬間に結論を出した印象を受けている。国民的合意のためには論点を丁寧に議論すべきで、ウラン試験やバックエンド税制を睨みスケジュールありきの決め方である。会議は再処理推進派が多数を占め、適切な議論が行われていない。事故の責任者が策定会議で安全確保について発言していることも理解に苦しむ」などと述べた。また、福島第一・5号機の配管減肉に関する保安院の判断は不適切とし、本会議での検証を求めるとともに、「電力会社との緊張関係を維持する上で保安院の経産省からの分離が必要」とした。 委員からは、「サイクル政策は最善を尽くし徹底的に議論した。電気事業者からも意見を聴くことは適切」(児嶋委員)、「押しつけでサイクル政策が決った、とされるのは利害関係のない個人として憮然とする。結論を先送りせず、進めるべきものは進めるべき」(住田委員)などの反論が出された。また、近藤議長は「安全確保に関し事業者としての対応の説明を受けるのは適切と考えており、本会議は個々のケースを議論する場としない」とした。 |