[原子力産業新聞] 2005年1月20日 第2267号 <1面>

[文部科学省] ITER交渉粘り強く

今月11日付けで文部科学事務次官に就任した結城章夫氏(=写真)は17日、科学記者会と会見し、ITERや「もんじゅ」に対する所信を示した。ITERでは6極の枠組みを維持する意向を改めて表明、「もんじゅ」は早期に地元自治体の改造工事の了解が得られることを期待している、とした。

ITERについて結城次官は、「日本独自での建設の検討も進めるべきとの意見も一部にあるが、政府としてはあくまで6極の枠組みを維持することを前提に、EU側と粘り強く交渉する。EU側とのギリギリの交渉はホスト国と非ホスト国の差を如何に縮めるかであり、我々は日本の提案が優れていると確信している。現段階でEU側との交渉の決着時期を明確には示せないが、何としても6ヶ所に誘致できるよう最大の努力を続ける」とした。また、次回の閣僚会議に関し、「先月のモスクワ開催が検討されたが、閣僚会議は政治決着の場であり、日本とEU側の交渉が進展した上でなければ開催は難しい」とし、現在開催の見通しが立っていないことを明らかにした。

「もんじゅ」については「核燃料サイクル技術確立の上で重要な位置を占めており、1日も早く改造工事に着手したい。地元の了解を待っている状況であり、早期に了解が頂けることを期待している」とした。


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