[原子力産業新聞] 2005年1月20日 第2267号 <6面>

[中部電力] 浜岡5号機が運転開始

中部電力の浜岡原子力発電所5号機(ABWR、138万kW=写真)が18日午前11時7分、経済産業省による使用前検査に合格し、わが国53番目(営業運転を終了した東海発電所を含めると54番目)の商業炉として、営業運転を開始した。

原子力発電ユニットの営業運転開始は、02年1月に運開した東北電力・女川3号機以来3年ぶりのこと。浜岡5号機の運開により、中部電力の原子力発電設備容量は5基・500万kWとなったほか、同社の総発電電力量のおよそ15%を、原子力発電が占めることとなった。

同社初の改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)が採用された浜岡5号機は、原子炉熱出力はやはりABWRを採用する東京電力の柏崎刈羽6、7号機と同じ392.6万kWだが、新たに高効率タービンの採用により、発電出力は138万kWと、わが国最大を誇る。建設費は約3600億円。

なお中部電力では浜岡5号機の営業運転開始に伴い、@浜岡原子力総合事務所の浜岡原子力建設所を廃止するとともに新たに浜岡地域事務所(総括・広報グループ、地域グループ、浜岡原子力館)を設置A浜岡原子力発電所に、新たに品質保証・検査グループを設置B浜岡原子力発電所発電部に、新たに廃棄物管理課を設置――する組織変更および、計76名(支配人1名、特別役付職33名、一般役付職42名)の人事異動も行っている。

  ◇    

中部電力の川口文夫社長は18日、浜岡原子力発電所5号機の営業運転開始について、「ひとえに地元御前崎市を始め静岡県、国など、皆さまのご理解とご協力の賜であり、改めて厚く御礼申し上げる。浜岡5号機は、低廉な電気を安定的にお届けするための供給力として大きな役割を果たすとともに、地球温暖化ガス削減など環境面でも社会に貢献できる発電設備だ。今後とも当社は、安全を最優先に浜岡原子力発電所を運転・管理することで、皆さまの信頼と期待にお応えしていく」とのコメントを発表した。


Copyright (C) 2005 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.